— プロ農家が教える、もっとも丁寧で、美味しさを最大限に引き出す方法 —
「お米は研ぎ方で味が決まる」
これは和食の料理人が口を揃えて言う、揺るぎない真実です。
同じお米でも——
研ぎ方を変えるだけで、
香り、粘り、粒立ち、甘みの立ち上がりが明確に変わる。
この記事では、年間数百kgの米を扱う農家として、
そして“ファーム有賀”の美味しさ基準として、
家庭でできる最高の研ぎ方をステップごとに解説します。
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🔍 なぜ「正しい研ぎ方」がそんなに重要なのか?
理由はシンプル。
① ぬかの匂いが残ると、香りが濁る
お米は精米時に微細な糠(ぬか)が残ります。
最初の研ぎ水は一瞬で白く濁り、この水が香りを落とす最大の原因。
② 水を吸う“最初の3秒”で味が決まる
米は最初に触れた水を一気に吸い込む性質があります。
ここで雑味ある水を吸わせると、炊き上がりの味に響く。
③ 優しく研ぐことで、表面が傷つかず、粒が立つ
強い力でギュウギュウやると
→ 粒が割れ粘りが出すぎる
→ 炊き上がりがベタつく
という現象につながります。
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🥢【結論】美味しい米は「最初の30秒」が命
多くの人が見落としているのはここ。
お米を研ぐ技術の90%は、“最初の30秒”で決まる。
この“最初の水”をいかに綺麗に扱うかが、
米の香りと甘みを最大限に引き出すコツです。
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🍚 【完全版】ファーム有賀式・お米の研ぎ方(保存版)
ここからは、家庭で簡単に再現できる方法を
ステップごとにわかりやすく説明します。
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🥢Step 0:ボウルではなく“深めのボウル or 片手鍋”を使う
狭いボウルだと米が泳ぎにくく、摩擦の向きが偏るためNG。
水がしっかり対流する“深さ”がポイント。
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🥢Step 1:お米を量ったら、まず最初にすばやく水を捨てる
● 水を入れたら、3秒以内に一気に捨てる
最初の水は「米が一瞬で吸う水」。
ここを長く浸けると、雑味の元を吸ってしまいます。
✔ プロはここを“0〜3秒”で終わらせます。
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🥢Step 2:軽く水を含ませるために、指先で5〜6回だけ混ぜる
この段階ではまだ“研がない”。
理由:
米を軽く湿らせてから研ぐことで、表面が割れずやさしく研げる。
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🥢Step 3:水を切り、乾いた状態でシャカシャカ研ぐ(20回)
ここが味を決める“本番”。
● 力を入れない
手のひらを軽く広げ、指の腹で円を描くように20回。
「シャッ、シャッ」と優しい摩擦で十分。
✔ 強くやるほど粒が割れ、炊き上がりが重くなる。
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🥢Step 4:水を注ぎ、軽く混ぜて“濁り水をすぐ捨てる”
糠(ぬか)が浮くので、1回目はすぐに捨てる。
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🥢Step 5:同じ研ぎ→すすぎのセットを2~3回繰り返す
ここで味が整う。
水が完全に透明になる必要はありません。
むしろ透明にしすぎると旨味が抜けるため、
“うっすら透明”が正解。
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🥢Step 6:最後のすすぎ水は30秒ほど置いてから捨てる
これは米がゆっくり水を吸っていく時間。
浸水前の準備として重要。
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💧 浸水時間の“黄金ルール”
● 春・秋 → 30分
● 夏 → 15〜20分
● 冬 → 40〜60分
(冷蔵庫浸水も可・粒が揃う)
炊き込みの場合は水分を吸わせすぎないように短めに。
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🍚 炊飯直前の“ひと手間”がさらに味を変える
炊飯器なら:
→ 釜を軽く回して、水面を均一にするだけで炊きムラが減る。
羽釜なら:
→ 最初の強火→中火→蒸らしの火力コントロールで劇的に変わる。
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🌾 ファーム有賀の6品種 × この研ぎ方の相性
● 亀の尾
→ 研ぎすぎないことで“粒感”が生きる。最も香りが立つ品種。
● コシヒカリ
→ 甘みが強いので、1〜2回のすすぎで十分。
● ミルキークイーン
→ 粘りがあるため、摩擦を最小限に優しく研ぐ。
● ササシグレ
→ ぬか由来の香りが残りやすいので、すすぎ回数を1回多めに。
● いのちの壱
→ 表面がなめらかなので研ぎやすい。粒立ちを楽しむなら摩擦少なめ。
● 風さやか
→ 水分を多く含む性質がある。浸水を短めにするのがコツ。
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✨ まとめ:正しい研ぎ方は“毎日のごはんの質”を変える
お米は、研ぎ方ひとつで表情が変わります。
• 香りが出る
• 甘みが立つ
• 粒が揃う
• 冷めても美味しい
これはどれも“研ぎ方”の影響が大きい要素です。
素材の力 × 正しい研ぎ方 = 最高の白ごはん。
ファーム有賀のお米を選んでくださる方へ、
一番美味しい状態で味わっていただけるように——
この研ぎ方を“家のスタンダード”としてぜひお使いください。