オリンピックでのスノーボード金メダル獲得。
ニュースで名前を見たとき、思わず手を止めました。
村瀬心椛選手。
あの大きな舞台で、堂々と、自分の滑りを出し切った姿。
ジャンプの一瞬は、ほんの数秒。
でもそこに至るまでの時間は、何年、何十年という積み重ねです。
雪の状態、天候、体調、板の感触。
その日の「完璧」は、誰にも保証されていない。
それでも、自分が積み上げてきたものを信じて飛ぶ。
あの一瞬に、すべてが詰まっているのだと思います。
農業をやっていると、
この感覚はとてもよく分かります。
稲刈りの日だけを見れば、
「ああ、実ったね」で終わる。
でもその裏には、
春の水張り。
苗の状態を毎日見る時間。
夏の暑さと天気予報。
台風の進路に一喜一憂する夜。
誰にも見えないところで、
「うまくいく確率」を少しずつ上げていく作業が続きます。
村瀬選手の金メダルも、
才能やセンスだけではなく、
・毎日の練習
・調子が悪い日の向き合い方
・結果が出ない時期の耐え方
そうした積み上げの質が、
最後の一瞬を支えていたのだと思います。
農作物も、派手な成果は一瞬です。
新米が炊き上がる瞬間。
食卓に並ぶ一杯。
でもその背景には、
一年分の判断と、迷いと、手の動きがあります。
だから、金メダルのニュースを見て、
「すごい」で終わらせたくありませんでした。
積み上げた人が、
積み上げた結果を受け取る。
それはスポーツでも、農業でも、
きっと同じ価値なのだと思います。
派手さより、確かさ。
一瞬より、積み重ね。
村瀬心椛選手の滑りは、
そのことを静かに教えてくれました。
今日もまた、
田んぼと畑で、同じように積み上げています。